EMC試験におけるシステムの不確かさについて ①

EMC

EMC試験サイトを管理していると不確かさを算出しないといけないことがあると思います。特にISO17025の認定サイトですと算出することは必須条件となっており, 試験システムの不確かさを求めておくことが重要になります。

本記事は不確かさの概要についての記事となります。具体的な算出方法は別記事にて作成予定です。

そもそも不確かさってなんなのってことなんですけど概念としては測定した値はある一定の範囲でばらついてしまうのですが, そのばらつきの度合いを調べて実測した値に対して真の値(但し算出することは不可能で実際は推定値を真の値として仮定します。)がどの程度の範囲内に存在するかを推定して定量化したものになります。認識まちがってたら, すいません!

※ISO17025 認定サイト: 権威ある第三者認定機関に正確な測定/校正結果を生み出す能力があることを認められた試験所

不確かさの概要について

JIS Z 8103 :2019(計測用語)では次のように説明されています。
不確かさ: 測定値に付随する, 合理的に測定対象量に結び付けられ得る値の広がりを
特徴づけるパラメータ
ここでいう測定対象量とは測定した値のことであり, 合理的に測定対象量に結び付けられ得る値とは, 真の値の候補と考えても不合理でない値として解釈されているようです

真の値, 真値:量の定義と整合する量の値
※概念的な値で、実際には求められない
測定値: 測定結果を表す量の値
母平均: 測定値の母集団についての平均
※ここでは母平均を最良推定値(真の値の候補)としています。
誤差: 測定値から真値を引いた値
※真の値が不明のため誤差についても実際には求められない
不確かさ: 測定値の曖昧さ(ばらつき)を定量化することで測定値を中心に最良推定値(真の値の候補)が

どの範囲にどの程度の確率で存在するかを示した

不確かさの算出方法の概要

不確かさの求め方には2通りありまして一つは統計的手法によるタイプAにおける不確かさの算出方法とその他の手法によるタイプBによる不確かさの算出方法があります。
標準不確かさのタイプA評価
実験によって測定データを得て,そのデータからばらつきを求めて, 統計分布から不確かさを評価する方法となります。
この場合, 標準不確かさは, 算術平均等の実験標準偏差になります。

・標準不確かさのタイプ B評価
実験以外の方法によって不確かさを評価する方法となります。この場合, 標準不確かさの評価は今までの知識,経験等から確率分布を仮定し,標準偏差を推定することで不確かさを評価することになります。

まとめ

・不確かさとは
測定値の曖昧さ(ばらつき)を定量化することで, 最良推定値(真の値の候補)がどの範囲にどの程度の
確率で存在するかを示した値
・不確かさの求め方には2通りの算出方法がある。
(タイプA: 実験によって統計的手法により算出, タイプB: 実験以外の手法で知識または経験から算出)

その他

参考にしたHP
統計web
https://bellcurve.jp/statistics/course/8616.html

JCG200 校正における測定不確かさの評価 (第8版)
https://www.nite.go.jp/data/000022114.pdf

東陽テクニカ 校正の不確かさの算出方法と校正項目による違いについて
https://www.toyo.co.jp/emc/casestudy/detail/id=20591

コメント

タイトルとURLをコピーしました