FCC Part 15 Subpart Bにおけるクラス区分と要求限度値

EMC

ども、今回の記事はFCC Part 15 Subpart Bにおけるクラスの分類と要求限度値についての紹介記事になります。
※個⼈調査による⼆次情報となりますのであくまで参考としていただき詳細は当該規格の原⽂をご参照ください。

FCC Part 15 Subpart Bの適用範囲

まず、はじめにFCC Part15 Subpart Bの適用範囲についてですが、次のように定義された非意図的放射機器 (unintentional radiator) に適用されます。

– 非意図的放射機器定義
Unintentional radiator.
A device that intentionally generates radio frequency energy for use within the device, or that sends radio frequency signals by conduction to associated equipment via connecting wiring, but which is not intended to emit RF energy by radiation or induction.
デバイス内で使用するために意図的に無線周波数エネルギーを生成するデバイス、または接続配線を介して関連機器に伝導によって無線周波数信号を送信するが、放射または誘導によってRFエネルギーを放出することを意図していないデバイス。
※9kHzを超えるデジタル信号(クロック)、又はパルスを発生し使用している場合は規制の対象となります。
(47 CFR § 15.3 Definitions.(z) より抜粋)

クラスの分類

デジタル・デバイスは使用を意図された環境に応じて主に住宅環境のクラス B とそれ以外のクラス A の2 つのクラスに分類されています。それぞれのクラスに応じて異なる限度値が適用されておりクラス B はより厳しい限度値となっており、クラス A は前者より高いエミッションが許容されております。
また規格内では商業、ビジネス、または産業環境向け製品であってもクラス B デバイスとして扱うこともでき、また可能ならばそのようにすることが推奨されています。そのため産業向け装置であったとしても住宅環境やその近傍での使用の可能性も予期されるような場合はクラス B 限度値の適用も考慮することが望ましいと思われます。

クラス A デジタル・デバイスの定義について

Class A digital device.
A digital device that is marketed for use in a commercial, industrial or business environment, exclusive of a device which is marketed for use by the general public or is intended to be used in the home.
クラス A デジタル デバイス。
商業、産業、またはビジネス環境での使用を目的として販売されているデジタル デバイス。ただし、一般大衆による使用を目的として販売されているデバイス、または家庭での使用を目的としたデバイスは除く。
(47 CFR § 15.3 Definitions.より抜粋)

クラス B デジタル・デバイスの定義について

Class B digital device.
A digital device that is marketed for use in a residential environment notwithstanding use in commercial, business and industrial environments.
Examples of such devices include, but are not limited to, personal computers, calculators, and similar electronic devices that are marketed for use by the general public.
クラス B デジタル デバイス。
商業、ビジネス、産業環境でも使用されるが、住宅環境での使用を目的として販売されているデジタル デバイス。
このようなデバイスの例には、パーソナル コンピュータ、計算機、および一般大衆が使用するために販売されている同様の電子デバイスが含まれるが、これらに限定しない。

Note:
The responsible party may also qualify a device intended to be marketed in a commercial, business or industrial environment as a Class B device, and in fact is encouraged to do so, provided the device complies with the technical specifications for a Class B digital device.
注:
責任者は、商業、ビジネス、または産業環境での販売を目的としたデバイスをクラス B デバイスとして認定することもでき、デバイスがクラス B デジタルデバイスの技術仕様に準拠していることを条件として、そうすることが実際に推奨されている。
In the event that a particular type of device has been found to repeatedly cause harmful interference to radio communications, the Commission may classify such a digital device as a Class B digital device, regardless of its intended use.
特定のタイプのデバイスが無線通信に有害な干渉を繰り返し引き起こすことが判明した場合、委員会(FCCのこと)は、その使用目的に関係なく、そのようなデジタルデバイスをクラス B デジタルデバイスとして分類することがある。
(47 CFR § 15.3 Definitions.より抜粋)

エミッション限度について

一般には以下のエミッション限度が規定されております。
– AC 電源ポートの伝導エミッション 限度 (周波数範囲 0.15 MHz〜30 MHz)
– 放射エミッション 限度 (周波数範囲 30MHz〜40GHz)

AC 電源ポートの伝導エミッション 限度値

伝導エミッションは公共のAC 電力線に接続するように設計された機器の場合、50 μH/50 Ωのラインインピーダンス安定化ネットワーク(LISN)を使用して各電力線と電力端子のアース間の高周波電圧を測定することを要求されている。

クラス B 限度値

クラス B 限度は47 CFR § 15.107 Conducted limits. (a)にて要求されています。
以下 表1及び図1に要求レベルを記載します。

クラス A 限度値

クラス A 限度は47 CFR § 15.107 Conducted limits. (b)にて要求されています。
以下 表2及び図2に要求レベルを記載します。測定周波数範囲の上限はデジタル・デバイスで発生または使用される、最大動作周波数によって決定される。

放射エミッション限度値

放射エミッション限度はクラス A は 10 m、クラス B は 3 m の距離での電界強度で規定されております。また測定周波数範囲の上限はデジタル・デバイスで発生または使用される、最大動作周波数によって決定されます。(表5)

クラス B 限度値

クラス B 限度は47 CFR § 15.109 Radiated emission limits. (a)にて要求されています。
以下 表3及び図3に要求レベルを記載します。

クラス A 限度値

クラス A 限度は47 CFR § 15.109 Radiated emission limits. (b)にて要求されています。
以下 表4及び図4に要求レベルを記載します。

限度値の測定上限

非意図的放射機器における放射エミッションの測定周波数範囲の上限については47 CFR § 15.33 Frequency range of radiated measurements. (b) For unintentional radiatorsに記載されております。
以下 表5に要求レベルを記載します。

まとめ

– 非意図的放射機器におけるデジタル・デバイスは2つのクラスに分類される。
– クラス B デジタル・デバイスは住宅環境での使用を目的として販売される機器
– クラス A デジタル・デバイスは商業、産業、ビジネス環境での使用を目的として販売される機器
必要な測定項目は下記
– AC 電源ポートの伝導エミッション (周波数範囲 0.15 MHz〜30 MHz)
– 放射エミッション (周波数範囲 30MHz〜40GHz 但し測定上限範囲は装置の最高動作周波数による)

参考情報

FCC Part 15
https://www.ecfr.gov/current/title-47/chapter-I/subchapter-A/part-15

デジタル・デバイスの FCC 規制への対応 — 47 CFR 15 Subpart B の概要
https://www.emc-ohtama.jp/emc/doc/guide-fcc15b.pdf

OKIエンジニアリング EMC測定・製品安全試験
https://www.oeg.co.jp/emc/denkai.html

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