IEC 60204-1: 2016( JIS B 9960-1:2019 )における電線の耐電圧の要求について

製品安全

どもぬのです。今回はCEマーキングにおける電線についての記事になります。

一般的に欧州に制御盤を出荷する場合は製品に使用する電線についてもCEマーキングに適合した電線を使用する必要があります。

私の普段のイメージでは制御盤に使用されている電線はUL規格やPSE規格適合電線を使用されることが多いように思うのですが, 欧州におけるEN(IEC) 60204-1規格では使用する電線の仕様について耐電圧試験の試験時間を5分間要求しております。

それに対しUL規格やPSE規格適合品は耐電圧試験の試験時間は1分間で試験されていることが多いです。

そのためメーカー評価時の耐電圧値が同等でも試験時間に差があることがあるため欧州に制御盤を出荷する際は電線の選定にも注意が必要です。

規格要求事項に対して仕様が不足する場合は規格適合品を再選定するかもしくは同等の追加試験を実施する必要があります。
下記に機械の電気装置の安全規格であるIEC 60204-1: 2016における電線の耐電圧試験の要求事項について記載します。
※IEC 60204-1といいつつJIS B 9960-1の要求事項を記載してますたぶん同等です。
 詳細は規格原本をご参照ください。

IEC 60204-1:2016 (JIS B 9960-1:2019)における電線の耐電圧要求事項

IEC 60204-1:2016 (JIS B 9960-1:2019)
機械類の安全性−機械の電気装置− 第1部:一般要求事項より抜粋

12.3 絶縁被覆 
導体及びケーブルの絶縁被覆が,例えば,火炎を伝ぱ(播)させ,又は毒性若しくは腐食性煙霧を発生することによって危険源となる可能性がある場合は,ケーブル供給者の指示を求めることが望ましい。安全関連機能をもつ回路のインテグリティに特に注意することが重要である。 ケーブル及び導体の絶縁被覆は,次のいずれかの試験電圧に適応しなければならない。
−使用電圧が交流50 V又は直流120 Vを超える場合,交流2 000 V以上,5分間 
− PELV回路の場合は,交流500 V以上,5分間(クラスIII装置に対するJIS C 60364-4-41を参照)
絶縁被覆は,運転中又は布設中,特にケーブルをダクトに引き込むとき,絶縁が損なわれないような機械的強度及び厚さをもつものでなければならない。

まとめ

・CEマーキング適合電線とUL,PSE規格適合電線では耐電圧の試験時間に差がある。
・制御盤に使用する電線はCEマーキング対応の電線もしくはIEC規格に適合した電線を選定する
・IEC 60204-1:2016の耐圧要求事項
 −使用電圧が交流50 V又は直流120 Vを超える場合の要求使用: 交流2 000 V以上,5分間 
 − PELV回路の場合の要求使用: 交流500 V以上,5分間

参考資料

参考文献
JIS B 9960-1:2019 (IEC 60204-1:2016) 
機械類の安全性−機械の電気装置− 第1部:一般要求事項

参考URL:
イプロスものづくり CEマーキング電線
https://www.ipros.jp/product/detail/39256049/

ミスミHP CEマーキング電線
https://jp.misumi-ec.com/pr/vona/el/ce_cable/

Caledonian HP 電線におけるEN規格(下記HPで電線に関するEN規格が確認できます。)
https://www.caledonian-cables.com/product/Technical%20Lib/EN%20cable%20standards.htm

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