圧力機器指令(2014/68/EU)について

製品安全

ども久しぶりの投稿になります。圧力機器指令について今回は調べました。圧力機器指令の対象範囲とカテゴリの確認方法についての記事になります。google翻訳を駆使して個人的に調べた内容になりますのであくまで参考レベルの情報となります。

指令の適用範囲

最大許容圧力PSが0.5bar(0.05MPa)を超える圧⼒装置(容器、配管、安全装置、付属品)に適⽤されます。

対象製品例
圧⼒容器 (圧⼒がま、消⽕器、熱交換器、ボイラー、ブラント⽤圧⼒容器、蓄積タンク、産業⽤パイプ)、 各パイピング (パイプ・配管、チューブ、連結材、拡⼤材、ホース他)、安全付属品 (安全バルブ他)、フランジ、ノズル、カップリングサポート、リフティングラグ等、加圧部品に取り付けられた要素が含まれ圧力機器指令の対象となります。

指令の対象となる圧力機器は、当該指令の付属書Iに記載されている基本的な安全要件の対象となります。

適合性の確認手順概要

手順1 最大許容圧力の確認

最大許容圧力 0.5bar(0.05MPa)を超える圧⼒装置(容器、配管、安全装置、付属品)であるかどうかを確認します。製品が許容圧力0.5 bar以下であれば圧力機器指令対象外装置となります。

手順2 圧力機器指令におけるその他対象外機器であるか確認

以下装置は圧力機器指令の対象外になります。

手順3 圧力機器指令内における該当するカテゴリを確認

該当する圧力機器の評価手順を確認する前にまずは圧力機器の用途や仕様から該当するカテゴリを確認する必要があります。カテゴリは機器の種類や流体の種類、許容圧力 bar、容積L、口径等のパラメータからI、II、Ⅲ、Ⅳの4つに分類されております。
上記のパラメータをもとに当該指令内における付属書IIの表(1〜9)より機器が該当するカテゴリを確認した後必要な適合性評価方法を決定いたします。

カテゴリの分類

各カテゴリへの該当条件については本記事内のカテゴリの分類詳細をご確認ください。
またカテゴリは4つに分類されておりますが、4つだと個人的にしっくりこなかったので本記事内では便宜上下記のように6つに分類しております。

分類1: 許容圧力 0.5 bar以下の圧力機器指令対象外装置
分類2: カテゴリI未満の装置
↑SEP(Sound Engineering Practice)カテゴリと呼ばれているようです。
   0.5 barを超えカテゴリIに満たない装置が該当します。
分類3: カテゴリIの装置 (自己適合宣言可能)
分類4: カテゴリIIの装置 (NBの関与が必要)
分類5: カテゴリⅢの装置 (NBの関与が必要)
分類6: カテゴリⅣの装置 (NBの関与が必要)

カテゴリの分類詳細

付属書IIにおける表1〜9の選択方法概要
圧力機器の種類や使用する流体によって付属書Ⅱの表1〜9をもとにカテゴリを確認するのですが、ここではざっくりとどういった装置および流体が付属書IIの表1〜9に該当するのかを記述しています。詳しい分類の説明については当該記事のカテゴリの分類詳細をご参照ください。
表2に記述してあるように装置の種類(容器 or 加熱リスクのある圧力機器or配管)と流体グループ(1 or 2)、および流体の状態と圧力 (0.5 bar を超えるガスおよび液体 or 0.5 bar以下の液体)によって選択する表が決まります。

流体グループとは
圧力機器指令では流体は大きく次の2つのグループに分けられます。

グループ1: 危険性流体(爆発性、可燃性、毒性など)
グループ2: その他の流体

※流体グループの詳細は2014/68/EU における当該指令の第13条、圧力機器の分類 (a), (b)項をご参照ください。当該指令の第13条にて流体の詳細が確認できます。

カテゴリの分類詳細
当該記事おける表2の選択方法についてより詳細を記述しております。ご参考ください。

①容器(vessels)(但し②で言及されているものを除く)
・ガス、液化ガス、圧力下で溶解したガス、蒸気並びに通常の大気圧(1013 mbar)を超えた状態で最大許容温度での蒸気圧が0.5 barを超え、次の制限内にある液体。
-グループ1の流体で容量が1Lを超え、PSとVの積が25 bar・Lを超える、または圧力PSが200 barを超える流体
付属書IIの表1を参照しカテゴリを確認する。

例外 不安定ガスを含むことを意図し、表1に基づいてカテゴリーIまたはIIに分類される容器は、カテゴリIIIに分類される。

-グループ2の流体で容量が1 Lを超え、PSとVの積が50 bar・Lを超えるか、圧力PSが1000 barを超える場合、および呼吸装置用のすべての携帯型消火器とボトル
付属書IIの表2を参照しカテゴリを確認する。

例外 呼吸装置用の携帯型消火器およびボトルは、少なくともカテゴリIIIに分類されなければならない。

・次の制限内で、通常の大気圧(1 013 mbar)を超えた状態で最大許容温度での蒸気圧が0.5bar以下の液体
-グループ1の流体で容量が1Lを超え、PSとVの積が200 bar・Lを超える、または圧力PSが500 barを超える流体
付属書IIの表3を参照しカテゴリを確認する。

-グループ2の流体で圧力PSが10 barを超え、PSとVの積が10000 bar・Lを超える、または圧力PSが1000 barを超える流体
付属書IIの表4を参照しカテゴリを確認する。

例外 第4条(2)の2番目のサブパラグラフで言及されている温水の生成を目的としたアセンブリは、言及されている必須要件への適合性に関してEUタイプの検査(モジュールB —設計タイプ)または完全な品質保証(モジュールH)のいずれかを受けるものとします。

② 圧力機器(Pressure equipment)
・加熱のリスクがある容量が2 Lを超え110°Cを超える温度の蒸気または過熱水を生成することを意図した、点火またはその他の方法で加熱される圧力機器、およびすべての圧力鍋
付属書II、表5を参照しカテゴリを確認する。

例外 圧力鍋の設計は、カテゴリーIIIにおけるモジュールの少なくとも1つと同等の適合性評価手順に従うものとします。

③配管(Piping) 
下記を意図したもの
・ガス、液化ガス、圧力下で溶解したガス、蒸気並びに通常の大気圧(1013 mbar)を超えた状態で最大許容温度での蒸気圧が0.5 barを超え、次の制限内にある液体。
-グループ1の流体でDNが25を超える場合 付属書II、表6を参照しカテゴリを確認する。

例外 不安定ガスを含むことを意図し、表6に基づいてカテゴリIまたはIIに分類される配管は、カテゴリIIIに分類される。

-グループ2の流体でDNが32を超え、PSとDNの積が1000 barを超える場合付属書II、表7を参照しカテゴリを確認する。

例外 350°Cを超える温度の流体を含み、表7に基づいてカテゴリIIに該当するすべての配管は、カテゴリIIIに分類される。

・次の制限内で、通常の大気圧(1 013 mbar)を超えた状態で最大許容温度での蒸気圧が0.5bar以下の液体
-グループ1の流体でDNが25を超え、PSとDNの積が2000 barを超える流体
付属書IIの表8を参照しカテゴリを確認する。

-グループ2の流体で圧力PSが10 barを超え、DNが200を超え、PSとDNの積が5000 barを超える流体
付属書IIの表9を参照しカテゴリを確認する。

④その他 例外的にカテゴリⅣに分類されるもの

第2条のポイント4で定義され、第4条(1)(d)で言及されている安全付属品は、カテゴリーIVに分類されます。ただし、特定の機器用に製造された安全アクセサリは、それらが保護する機器と同じカテゴリに分類される場合があります。

※カテゴリ選定の詳細は2014/68/EUにおける第4条, 技術要件をご参照ください。

手順4 適合性評価の決定

該当する圧力機器のカテゴリから適合性評価を決定する。
確認した結果をもとに必要な適合性の評価を確認します。概ね下記のような対応になると思います。

対応する適合性評価概要
・許容圧力 0.5 bar以下の圧力機器指令対象外装置: 特に対応無
・SEPカテゴリ(カテゴリI未満の装置):
 工学的慣行に従って設計および製造し、適切な使用説明書を添付する。
・カテゴリIの装置:
 製造業者様にて圧力指令の要件を満たしていることを確認(適合性評価を行う)し,技術文書の作成とCEマークの貼付および自己適合宣言書の作成を行う。
・カテゴリII〜Ⅳ:
 第三者認証機関(NB:ノーティファイドボディ)による関与が必要であるNB適合手順について確認が必要

※適合性評価手順(モジュール)については下記記事を参照ください。
https://emcengineer.net/182/
※SEPカテゴリについての要求事項詳細は2014/68/EUにおける第4条、3項をご参照ください。

その他

定義

定義抜粋
2014/68/EUにおける第2条、定義より一部抜粋

(1)「圧力機器」
容器、配管、安全付属品、および圧力付属品を意味し、該当する場合は、フランジ、ノズル、カップリング、サポート、リフティングラグなどの加圧部品に取り付けられた要素を含みます。
(2)「容器」
他の機器に接続するカップリングポイントまでの直接アタッチメントを含む、圧力下の流体を収容するように設計および構築されたハウジングを意味します。容器は複数のチャンバーで構成されている場合があります。
(3)「配管」
圧力システムに統合するために相互に接続されている場合に、流体の輸送を目的とした配管コンポーネントを意味します。配管には、特に、必要に応じて、パイプまたはパイプ、チューブ、継手、伸縮継手、ホース、またはその他の圧力支持コンポーネントのシステムが含まれます。空気を冷却または加熱するためのパイプで構成される熱交換は、配管と見なされます。
(4)「安全付属品」
安全弁、破裂ディスク安全装置、座屈ロッド、制御安全圧力解放システ(CSPRS)、制限装置などの直接圧力制限装置を含む、許容限界を超えることから圧力装置を保護するように設計された装置を意味します。 、圧力スイッチ、温度スイッチ、液面スイッチ、安全関連の測定制御および調整(SRMCR)デバイスなど、修正手段をアクティブにするか、シャットダウンまたはシャットダウンとロックアウトを提供します。
(5)「圧力アクセサリ」
操作機能を備え、圧力を支えるハウジングを備えたデバイスを意味します。
(6)「アセンブリ」
統合された機能的な全体を構成するためにメーカーによって組み立てられたいくつかの圧力機器を意味します。
(7)「圧力」
大気圧に対する圧力、つまりゲージ圧を意味します。結果として、真空は負の値で指定されます。
(8)「最大許容圧力PS」
製造業者によって指定され、製造業者によって指定された場所で定義された、保護装置および/または制限装置の接続、または装置の上部のいずれかである、装置が設計される最大圧力を意味します。 、適切でない場合は、指定された任意のポイント。
(9)「最高/最低許容温度TS」
製造元が指定した、機器が設計されている最高/最低温度を意味します。
(10)「体積(V)」
最初の接続または溶接までのノズルの体積を含み、恒久的な内部部品の体積を除いた、チャンバーの内部体積を意味します。
(11)「公称サイズ(DN)」
外径またはねじサイズで示されるコンポーネントを除く、配管システム内のすべてのコンポーネントに共通のサイズの数値指定を意味します。これは参照目的に便利な丸め番号であり、製造寸法とは大まかにしか関係していません。公称サイズは、DNの後に数字が続くことで指定されます。
(12)「流体」
純粋な相の気体、液体、蒸気、およびそれらの混合物を意味します。流体には固体の懸濁液が含まれている場合があります。

※詳細は2014/68/EUにおける第2条、定義をご参照ください。

参考情報

参考URL情報
・EU欧州連合 HP 圧力機器指令アーカイバ
https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=LEGISSUM%3Al21018

・EU欧州連合 HP 圧力機器指令 整合規格
https://ec.europa.eu/growth/single-market/european-standards/harmonised-standards/pressure-equipment_en

・EU欧州連合 HP 圧力機器指令
https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=uriserv:OJ.L_.2014.189.01.0164.01.ENG#ntr14-L_2014189EN.01016401-E0014

・EU欧州連合 HP 規則: EC) No 1272/2008
https://eurlex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=celex%3A32008R1272

・TUV HP 圧力機器指令 ガイドライン I-19
https://cust980373stdlrsweu001.blob.core.windows.net/staticweb/Regulations/Pressure-Equipment/Pressure-Equipment-Directive/guidelines/en/g_i-19.htm


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